プラグ熱価と選び方の基礎知識
スパークプラグの「熱価」は、燃焼室内で先端を適温(約500~800℃)に保つ指標です。熱価が低い(冷却寄り)と先端が冷えやすく焼け付きにくい反面、カーボン堆積を起こしやすくなります。熱価が高い(高温寄り)と堆積を抑えつつ高回転でも安定しますが、低温域での着火が不安定になりがちです。街乗りが主体なら中間的な熱価(例:NGK CR7E)、頻繁に高回転を多用する方は高熱価(例:NGK CR8E)を選びましょう。
純正プラグと社外品の比較ポイント
純正プラグはエンジン特性に合わせたセッティングで再現性が高いですがやや高価です。社外品ではイリジウム電極(交換目安20,000km超)やプラチナ電極(交換目安5,000km)が主流で、細電極タイプは微細火花により燃焼効率と始動性を高めます。ただし、規格外品も多いため「ISO認証」「JIS規格」をクリアした信頼メーカー品を選ぶことが重要です。
交換時期のサインと具体的手順
交換目安はプラチナタイプで約5,000km、イリジウムタイプで約20,000kmですが、以下のサインが現れたら早めに点検します。
①セル始動が重く感じる、
②アイドリング不安定、
③加速時の息つき・ノッキング、
④燃費急激悪化。
- イグニッションを切り、エンジンが冷えていることを確認。
- プラグキャップを真っ直ぐ引き抜き、プラグソケットで反時計回りに緩める。
- 新プラグのギャップをゲージで指定値(0.7~0.8mmなど)に調整し、手で軽くねじ込む。
- トルクレンチで20~25Nmに締め、キャップを戻して始動テスト。安定した吹け上がりを確認します。
ブランド別性能比較とおすすめ
NGKは熱価ラインナップが豊富で汎用性が高く、DENSOの「イリジウムタフ」は極細0.4mmイリジウム電極で耐久性と着火性を両立します。性能重視ならDENSOイリジウムタフ、コストと耐久バランス重視ならNGKイリジウムがおすすめです。街乗り中心の方は純正熱価のプラグ、スポーツ走行が多い方は耐久性に優れたイリジウムタイプを選びましょう。
トラブル回避のポイント
DIY交換でありがちなミスは、ギャップ調整不足とシール材の再利用です。隙間が広すぎると失火、狭すぎると放電不良を招くため、必ずゲージで確認してください。プラグ付属のシールやOリングは毎回新品交換しないとガス漏れや油分混入による不完全燃焼を引き起こします。締め付けトルクが低いと振動で緩み、焼け付きや倒火の原因になるため、規定トルク厳守が必須です。
メンテナンススケジュールの立て方
交換時期を逃さないよう、プラグ交換日と走行距離をメモアプリやメンテノートに記録し、「プラチナは5,000kmごと」「イリジウムは20,000kmごと」のサイクルで管理しましょう。また、廃プラグは電極の摩耗状態を目視確認できる指標になるため、保管して次回交換可否の判断材料にすると便利です。カレンダー通知を設定し、うっかり交換時期を過ぎるリスクを軽減してください。